第37回秋田県多喜二祭


第37回秋田県多喜二祭(2002年2月17日)

記念講演は稲沢潤子氏

「小林多喜二追悼の歌」のオープニング演奏

37回目を迎えた秋田県多喜二祭は作家・稲沢潤子 (『民主文学』編集長)さんを迎え、県内外から139人 が会場を埋めて盛会であった。オープニング演奏は秋田 合唱団による「小林多喜二追悼の歌」であった。この曲 は多喜二虐殺の直後、1933年3月15日全国労農祭 のために作曲されたもの。作詞・佐野嶽夫(本名・佐野 太作)は詩人で日本プロレタリア作家同盟員(昭和八年 末・書記長)、作曲・吉田隆子は与謝野晶子「君死にた まふことなかれ」の作曲家で知られる。
 中谷敏太郎実行委員長は「多喜二の生涯が示した人間 性の高さと日本文学史上での業績の重さは、日本国民の 誇り」と挨拶。日本共産党の最上健造秋田県委員長が「多 喜二が未来に向かって発した願いを受けとめ、歴史の本 流の促進者として、国民多数の共同の大きな流れを」と 挨拶をした。

稲沢潤子さんの講演に波紋

稲沢さんは「小林多喜二から受け継ぐもの〜小説のお もしろさを探る」と題して記念講演。「多喜二は時代 を先取りすることができた作家であった」と作品「不在 地主」が『中央公論』に発表されるまでのエピソードを 紹介した。そして「人々がなぜ多喜二とその文学に魅か れるのか。時代を誠実に生きた多喜二が、新しい時代の 光の中に見出したものは何か、など新しい多喜二の魅力 を語った。「民青新聞」で見て来たという女性は「恋をし、 未来に夢や希望をもち、まっすぐな正義感は、今の若い 人と何も変わらない」との共感の感想を残した。

多喜二没70年を期して「早春の賦−小林多喜二」再演 の訴え

3月20日、新聞「赤旗」は全国の多喜二祭を特集し、 秋田と東京、杉並・中野・渋谷の多喜二祭の様子を詳細 に報じた。日本民主主義文学同盟秋田支部は多喜二祭に 先駆けて2月10日「小林多喜二と志賀直哉」の学習会 を開催した。多喜二が『戦旗』 1931年6、7合併号 掲載の壁小説「級長の願い」が大きな話題となり、杉並・ 中野・渋谷多喜二祭では「小林多喜二追悼の歌」が楽譜 付きで紹介され、劇団新人会の八田満穂氏から多喜二没 後70年を期して『早春の賦−小林多喜二』再演の訴えが あるなどさまざまな波紋を広げた年であった。


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